胃カメラの誕生
胃カメラの開発は日本で本格化した
1898年、ドイツのランゲ(Lange)とメルチング(Meltzing)により初めて胃カメラの開発が試みられました。しかし、実用化は不可能でした。
1949(昭和24)年、東大分院のある医師から「患者の胃のなかを写して見るカメラをつくってほしい」という難題がオリンパス光学工業(現・オリンパス)にもちこまれました。これがその後の「胃カメラ」の開発の始まりです。極小レンズの製作、強い光源の検討、本体軟性管の材質探し、最適なフィルムの入手や水漏れ対策の追及などすべてが手探りの試行錯誤の連続でした。翌1950年、言葉では言い尽くせない苦難のなかから生まれた試作1号機は、本体軟性管の先端に撮影レンズがあり、フィルムは白黒で幅6ミリ、手許の操作で豆ランプをフラッシュさせて撮影し、ワイヤーで引っぱってフィルムを巻き上げるものでした。しかし、この器械はまだまだ不満足なもので、臨床的に十分使えるまでには至りませんでした。
その後、東大第一内科の医師と当社技術開発陣の協力でかずかずの難問をクリアし、1.危険がない 2.患者に負担を与えない 3.胃内壁すべてを短時間に撮影できる 4.鮮明な映像で診断できる、という理想を追い求め、胃カメラは急速に発展し、完成度を高め広く普及しました。
こうして、診療技術の飛躍をもたらし、胃がんの早期発見に貢献できるようになりました。