フォーカスエリア5社会と協調した脱炭素・ 循環型社会実現への貢献

私たちが見据える未来

お客さま、サプライヤーさまと協働し、
2040年にサプライチェーンを含めた温室効果ガス
「ネットゼロ」を目指す

オリンパスグループは、経営理念である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」において、豊かな地球環境や自然の営みは欠かせないものの一つだと考えています。グローバルに事業を展開する企業グループとして、喫緊の社会課題である気候変動ならびに循環経済への取り組みを重要課題ととらえ、「社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献」をESG戦略のフォーカスエリアの一つに設定しました。自社内はもとより、サプライチェーン全体を対象に、お客さまやサプライヤーさまとともに環境保全に取り組み、脱炭素・循環型の持続可能な社会の実現を目指しています。

  • 重要課題(Materiality Topics)
    トッププライオリティ
    • Scope 1,2での脱炭素への取組
    • Scope 3での脱炭素への取組
    • 循環型社会実現へ貢献する製品ライフサイクル管理
    ハイプライオリティ
    • 水資源と廃棄物の適切な管理
    • 気候変動リスクへの対応
    その他
    • 環境関連の情報開示の透明性確保

Whyなぜそれに取り組むのか

世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指して、環境問題の解決に積極的に取り組む

オリンパスの視点1 深刻化する環境問題

脱炭素型で循環型の経済活動へのシフトが急務

オリンパスグループは、1992年に「オリンパス環境憲章(現「環境安全衛生ポリシー」)」を定め、企業市民として、環境問題の解決に向けて積極的な取り組みを行うという考え方を明らかにしました。以来、事業場における省エネ・省資源活動や環境配慮型製品の開発、サプライヤーさまと連携したグリーン調達などを実施し、製品ライフサイクルにおける環境負荷を低減してきました。
しかし、世界全体を見ると、大量生産・大量消費のワンウェイ型の経済活動は気候変動による自然災害の増加や天然資源の枯渇、不適正な廃棄による海洋プラスチックの蓄積といったさまざまな問題を深刻化させています。これらは地球環境全体を脅かすとともに、当社の事業活動にも影響を及ぼす重大な課題であり、早急に脱炭素型で循環型の経済活動へとシフトしなければなりません。オリンパスグループは、グローバルメドテックカンパニーとして、国際社会が掲げる目標をより早く達成することに挑戦し続けることが必要と考えています。

環境安全衛生ポリシー

オリンパスの視点2 医療機関におけるグリーン化

医療現場における脱炭素・循環型社会実現の必要性

オリンパスグループのお客さまである医療機関にとっても、脱炭素・循環型社会への取り組みの重要性は年々高まっています。世界の温室効果ガス排出量のうち、ヘルスケア業界からの排出は4.4%以上と言われています。また患者さんの安全・衛生の観点からシングルユース(使い捨て)の医療機器やパッケージが多く、それにともなう大量の廃棄物も業界の課題となっています。
医療機関においても環境負荷の低減が必須となるなかで、オリンパスグループも「患者さんの安全性と環境性の両立」という難題にともに取り組むことで、持続可能な医療サービスの提供に貢献できると考えています。

HCWH・ARUP「HEALTH CARE’S CLIMATE FOOTPRINT」

Howどのように取り組むのか

お客さま、サプライヤーさまと協働し、より豊かな地球環境の実現に向けて効果的な施策を実行する

アプローチ1 自社の事業活動における温室効果ガス削減

たゆまぬ製造改善活動と再生可能エネルギーへの切り替えによって
自社事業所のカーボンニュートラル化へ

オリンパステルモバイオマテリアル太陽光発電設備

オリンパスグループは脱炭素社会の実現に向けて、「2030年までに自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2※1)のカーボンニュートラル※2を達成する」という目標を策定しました。この目標にむけて、これまで継続的に実施してきた製造改善活動や省エネ施策、社用車のエコカーへの更新などを引き続き推進するとともに、自社の事業所における電力を再生可能エネルギー由来のものに段階的に切り替え、温室効果ガス排出量削減を加速させます。

※1Scope1:敷地内における燃料の使用による直接的な温室効果ガス排出
Scope2:敷地内で利用する電気・熱の使用により発生する間接的な温室効果ガス排出

※2カーボンニュートラル: 自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を削減し、残存する温室効果ガス排出量に相当する量をカーボンオフセットで相殺し全体としてゼロとすること。

<関連するMateriality Topics>Scope1,2での脱炭素への取組

アプローチ2 サプライチェーン全体における温室効果ガス削減

お取引先さまとともにサプライチェーン全体の温室効果ガス排出をネットゼロに

オリンパスグループの事業活動とサプライチェーンを含めた全体の温室効果ガス排出量(Scope 1,2,3)のうち、約90%が自社拠点以外のサプライチェーン(Scope3※1)における排出であり、その中でも特に、購入した製品・サービス、資本財、輸送・配送が大きな割合を占めています。2023年に策定した「サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)を2040年までにネットゼロ※2とする」という目標の達成に向けて、お取引先さまとの連携をいっそう強化していきます。オリンパスグループでは、これまでもサプライヤーさまへのお願いの一部として環境への配慮を共に進めてきました。それに加えて、サプライヤーさまに温室効果ガス排出量の把握とパリ協定の1.5℃目標に沿った削減目標の設定、削減活動への協力依頼を実施しました。
また、製品の輸送・配送にあたっては、積載効率の向上や製品の直送化、温室効果ガス排出量の少ない輸送モードの選択などを推進しています。

※1Scope3:その他の間接的な温室効果ガス排出(Scope1,2を除く)

※2ネットゼロ:最新の気候科学に沿って温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)を可能な限り削減(90%以上)し、残存する温室効果ガス排出量(10%未満)に相当する量を炭素吸収・除去由来クレジット(植林やCO2回収・貯留など)で均衡させること。

<関連するMateriality Topics>Scope3での脱炭素への取組

飛行機から船舶への輸送モードの変更(モーダルシフト)によって、製品輸送時の温室効果ガス排出量を削減

アプローチ3 製品環境負荷の低減

製品ごとの環境負荷の特徴をふまえて、環境に配慮した設計を推進

EVIS EUS 内視鏡用超音波観測装置 OLYMPUS EU-ME3

オリンパスグループは、調達から製造、物流、使用、廃棄におよぶ製品ライフサイクルの各段階での環境影響を評価するライフサイクルアセスメントを実施しています。またこのアセスメントの結果をふまえて、製品の環境配慮に関する自社基準である「エコプロダクツ運用規定」を制定し、一定基準を満たした製品を「オリンパスエコプロダクツ」として認定しています。
容器・包装材については、使用量の削減に努め、資源の有効利用の促進を図っています。さらに、シングルユースの製品の回収・リサイクルについても、法規制や安全性を考慮した仕組みづくりの検討を始めています。

<関連するMateriality Topics>循環型社会実現へ貢献する製品ライフサイクル管理

製品のライフサイクルアセスメント

What具体的に何をするのか

活動事例1 会津オリンパスが実践する事業場の温室効果ガス削減活動

写真:会津オリンパス事業所

オリンパスグループで医療用内視鏡の開発・生産、サービス技術支援を担う会津オリンパスは、2009年の新社屋の建て替えの際に挙がった従業員の声をきっかけに、温室効果ガス削減の取り組みを積極的に進めています。地中で温度を一定に調整した空気を利用する空調システムや、太陽光発電パネルなどの設備を導入するとともに、従業員一人ひとりの環境活動への理解浸透を図ることで、草の根レベルの温室効果ガス削減活動にも注力しています。

関連リンク

環境方針・戦略

環境負荷低減の取り組み

オリンパス、SBTiからネットゼロ目標の認定を取得