今井 薫
デザインコントロール・ワークストリームリード(東京)
2025年3月
フォーカスエリア2:コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力
オリンパスは患者さんの安全と将来の成長にむけて、2024年3月期から、複数年にわたる総合的な品質変革プログラムであるElevateを実行しています。今回は、Elevateの20の主要施策(ワークストリーム)をリードする担当者から、このプログラムにかける思いやElevateを通じて感じた変化などを中心に紹介します。
デザインコントロール・ワークストリームリード(東京)
製造およびプロセスコントロール・ワークストリームリード(東京)
患者さんの安全&品質文化・ワークストリームリード(米国)
マネジメント責任/ドキュメントコントロール・ワークストリームリード(カナダ)
Elevateは20のワークストリームから構成されており、各機能からグローバルに選出されたメンバーで構成した強力なチームによって推進されています。「設計および開発」「製造およびサプライヤーマネジメント」「サプライチェーン、市場導入・市販後の取り組み」「End-to-End(E2E)品質プロセス」の4つの軸で、規制当局へのコミットメントを果たすとともに、品質文化の基盤を強化するための取り組みを推進しています。
今井: Elevateがスタートしてから、私たちはグローバルで品質マネジメントシステム(QMS)の活動に取り組んでいます。以前、私は新製品開発に携わっており、生産管理やプロジェクトマネジメントなども行ってきました。かつて、オリンパスの日本でのものづくりは、文化やデザインの革新性という観点から製品の発売に至るまで、すべて日本的な考え方に基づいており、グローバルで行われていることと隔たりがありました。しかし、Elevateの活動を通じて、そのギャップは埋まってきていると思います。
小倉: 私はエンジニアとしてオリンパスに入社し、さまざまな業務に携わってきました。Elevateが今までの取り組みと異なる点は4つ、第一に、ガバナンスが大幅に強化され、目標設定と取り組みの優先順位が明確化されました。2点目は、従業員全員が重要な取り組みだと認識しているため、関係部門も皆協力的でとても効率がよい点です。3点目は、グローバルな取り組みであるという点です。そして4点目は、従業員が日常的に患者さんの安全について考え、業務を行うようになった点です。患者さんの安全は当社の最優先事項であり、Elevateはこの文化の変革にも貢献しています。
ゴガティ: 私は入社当初から、品質保証・法規制対応(QARA)トランスフォーメーションに携わりました。ガバナンスが強化されたという小倉さんの意見に私も同意します。また、新しいコアバリューに沿ってコミュニケーションも改善しており、情報が組織全体に共有され、異なるワークストリーム間のコラボレーションも強化されています。
レイク: 私もQARAトランスフォーメーションの推進を担当していました。この取り組みはElevate に進化し、部門横断的な視点からガバナンスが強化されました。Elevateの大きな特徴は、優先順位付けの明確化に加えて、ワークストリーム間やコミュニケーションチャネルを通じたコミュニケーションを実現することでコミュニティを構築し、組織全体のコラボレーションを促進している点です。Elevateにおけるこれら成功事例が組織全体で共有されていることを心強く思います。
小倉: 4つの要素を強化する必要があると考えています。1つ目は、専門知識と技術の融合です。メドテック企業では、光学技術などのコア技術に加え、医学や生物学に関する深い専門知識が必要です。また、医療機器の開発には医療従事者等、多くの専門家との緊密な協力が不可欠です。2つ目は法規制対応です。医療機器の規制は厳しく、国によって異なります。そのため、私たちは世界中の規制当局と協働し、これらの規制に適合するプロセスを構築する必要があります。3つ目は、市場と顧客ニーズの理解です。最後に、品質管理とリスクマネジメントです。
今井: 開発プロセスを課題として挙げたいと思います。当社は長い間、古い開発プロセスを運用していました。プロセス自体を改善するという活動が少なく、開発において、標準作業手順書に従っている限り問題はないと考えられていたのです。しかし本来、開発プロセスとQMS はしっかり結びついている必要があります。Elevateの活動を通じて、開発プロセスとQMSがより密接に結びつくようになり、グローバルな視点が入ったことで改善の機会が広がり、さまざまな角度から課題に対処できるようになりました。
レイク:私が感じる大きな変化の一つは、従業員がオーナーシップを持って取り組み、より積極的にコミュニケーションを図るようになったことです。従業員は自分たちが構築しているプロセスや手法に自信を持ち始めています。
私は今後、品質を重視する文化を継続的に社内に醸成していくことを目指しています。そしてQMSの健全性を監督するマネジメントレビューのプロセスを構築したいと考えています。時間はかかると思いますが、グローバルでQMSを強化し、統合していくことが私の大きな目標です。
ゴガティ: 私は、受け身で仕事をするのではなく、患者さんを第一に考え、先んじて主体的に仕事をしていくことが重要だと考えています。現状維持だけではなく、品質に対する考え方に基づいて徐々に改善をしていきたいです。
当社の社員のマインドセットが変化する中で、オリンパス全体のコラボレーションを強化し、規制当局とも良好な関係を築いていくことが重要です。そして、業界内での地位を確立し、オリンパスがベストプラクティスとして他の企業の模範となるよう、品質の水準を高めていきたいと思います。
より詳細なインタビューは統合レポート2024をご覧ください。
Elevate従業員座談会